発疹や目の充血、高熱が出たら要注意!大人の風疹対処法は?

発疹や目の充血、高熱が出たら要注意!大人の風疹対処法は?

皆さんは風疹にかかったことがありますか?私はどこかで子供の頃にかかる病気だと思っていました…。むしろ、風疹ってはしか?ん?なんだっけ?というレベルです。ですが、先日30代半ばの夫が風疹にかかり、とても驚きました。急な発疹に38度の高熱、病院から戻って隔離生活&保健所の方の訪問!そんなことがありましたので、風疹について書いていきたいと思います。ぜひ、参考にしてみて下さい。

1風疹とは


ウイルス性発疹症のことを言います。はしか(麻疹)に似た症状ではしかより短い期間で治ることから「三日はしか」とも呼ばれています。

(1)症状

発熱や発疹、目の充血、リンパ節の腫脹※1
(※1しゅちょう…炎症などにより一部が腫れあがること)
初期症状は、風邪のような倦怠感や微熱が見られます。
そこから首のリンパ節の腫れが現れ、特に耳のうしろなどが腫れることが特徴です。
リンパの腫れが引くには数週間程度かかると言われています。
また、初期症状から3〜7日程度が経過すると発疹症状が見られ、顔から全身へ広がります。
夫は、顔が真っ赤になり、腕もプツプツが出てとても痒いと言っていました。。痒くて寝れず、とてもツラそうでした。

(2)特徴

風疹は毎年大流行するインフルエンザウイルスよりも感染力が強いとされています。
1人感染していると5人程度(免疫のない人に感染)すると言われており、予防接種で免疫を持った割合を増やすことが大切だと考えられています。
似た名前のはしか(麻疹)はとても感染力が強いと言われており、1人感染している人がいると15人前後の人(免疫がない人)に感染すると言われています。
感染力でいうと、はしか(麻疹)>風疹>インフルエンザという順番です。

(3)感染経路

感染している人からの咳やくしゃみなどによる飛沫感染が主です。
飛沫は水分を含んで重みがあるので、感染している人のおよそ1〜2m圏内にいた場合に感染する恐れがあります。空気感染のようにウイルスが空中をふわふわ彷徨う訳ではないので、空気感染するはしか(麻疹)などより感染力が強くありません。
気道から体内に入ったウイルスは、のどや鼻などの粘膜やリンパ節で増え、血液を介して体全体に広がり、発疹や発熱などの諸症状を引き起こします。

(4)潜伏期間

風疹ウイルスが体の中に侵入してから、諸症状が出るまでの潜伏期間は2〜3週間です。
2〜3週間前となると、感染場所と特定するのは難しいですよね…。


2風疹のワクチン接種

(1)風疹ワクチンとは

風疹ワクチンとは、発病する力を弱くしたウイルスを培養して増やし、凍結乾燥させたワクチンのことを言います。このワクチンは「生ワクチン」と呼ばれる種類のワクチンで、感染と違って症状はほとんど出ることはありませんが、弱らせているとは言え、ウイルスは生きているので、免疫力の低下している人(病気などで免疫力が弱まっている人)や妊婦さんは風疹ワクチンの接種をすることができません。

(2)ワクチン接種が必要な世代がある?

風疹ワクチンについては、世代によってよく指針が変わっていた為、風疹ワクチンの接種を受けていたり、受けていなかったりと、とても分かりづらくなっているのが現状です。

①女性(1979年〜1987年生まれの人は危険!)

1962年4日1日より前の生まれ
風疹ワクチン接種は必要ありません。定期接種はありませんでしたが、ほとんどの人が自然感染で免疫持っています。
1962年4月2日〜1979年4月1日の生まれ
中学生の時に1回、集団接種を受けています。
1979年4月2日〜1987年10月1日の生まれ
中学生の時に1回、任意で受ける個別接種が推奨されていましたが、接種率が多くなかった為、抗体検査をおすすめ致します。
1987年10月2日〜1990年4月1日の生まれ
幼児期に1回、任意で受ける個別接種が推奨されていました。接種率がこれまでよりは多かったものの、対象者全体で言うとそれほど多くなかった為、抗体検査をおすすめします。
1990年4月2日より後の生まれ
2回、任意で受ける個別接種が推奨されており、接種率はとても高いので、抗体検査は不要でしょう。

②男性(1962年〜1987年生まれの男性は危険!)

1962年4日1日より前の生まれ
風疹ワクチン接種は必要ありません。定期接種はありませんでしたが、ほとんどの人が自然感染で免疫持っています。
1962年4月2日〜1979年4月1日の生まれ
女性は集団接種があったものの、男性はありませんでした。必ず抗体検査を行って下さい。
1979年4月2日〜1987年10月1日の生まれ
中学生の時に1回、任意で受ける個別接種が推奨されていましたが、接種率が多くなかった為、抗体検査をおすすめ致します。
1987年10月2日〜1990年4月1日の生まれ
幼児期に1回、任意で受ける個別接種が推奨されていました。接種率がこれまでよりは多かったものの、対象者全体で言うとそれほど多くなかった為、抗体検査をおすすめします。
1990年4月2日より後の生まれ
2回、任意で受ける個別接種が推奨されており、接種率はとても高いので、抗体検査は不要でしょう。

(1)病院で検査

まずは病院へ行きましょう。咳やくしゃみなどで感染を広げない為にも、必ずマスクを着用してください。風疹は、所見では判断できない為、血液検査や喉の粘液や尿などを用いた検査をします。検査結果は当日〜2日程度で出ます。検査の結果風疹とわかった場合、風疹患者が出た病院は保健所へ即時報告しなくてはいけないそうで、報告した当日(我が家の場合)、自宅へ保健所の方が来て問診&喉の粘液を持ち帰って行きました。そこからは保健所から何かある訳でもなく、データの提供的な感じでしょうか(・ω・;)多分…

(2)外出をしない

風疹ウイルスは感染力がとても強いウイルスです。風疹の疑いがある場合は、公共機関の利用や人の大勢いる場所に行くのはやめて、自宅で過ごしてください。児童や生徒が感染した場合は、学校保健安全法で「発疹が消失するまで出席停止」と定められています。

4治療

(1)症状を緩和する

風疹ウイルスは、特に有効な抗ウイルス薬はありません。風疹は合併症を発症していなければ自然治癒する病気とされている為、今出ている症状を和らげる治療を行います。

5妊婦さんが感染した場合

(1)先天性風疹症候群を発症する可能性

妊婦さんが風疹に感染してしまった場合、「先天性風疹症候群」を発症する可能性があります。先天性風疹症候群は、妊娠早期ほど発症する確率は高まり、妊娠1ヶ月で50%以上、2ヶ月で35%、4ヶ月で18%、4ヶ月で8%程と言われています。
厚生労働省のお知らせでも、「妊娠1ヶ月で50%」という数値が大きく取り上げられていますが、妊娠1ヶ月なんて「生理ちょっと遅れてる?」くらいの時期なので正直分かりません…。

(2)先天性風疹症候群とは

妊婦さん(妊娠初期)が風疹にかかると、お腹の中の赤ちゃんも風疹ウイルスに感染する可能性があります。感染した赤ちゃんは、難聴や心疾患、白内障やその他心身の発達障害を持って生まれる可能性があります。妊娠20週(5ヶ月)以降に風疹にかかった場合は、障害が残ることは、ほぼ無いそうです。

(3)妊婦さんが風疹にかかったかもしれないと思ったら?

まずは、かかりつけのお医者さんに電話で相談しましょう。(1)でも書いた通り、妊娠初期の妊婦さんへの風疹の影響はとても怖いものです。産婦人科には、他の妊婦さんが大勢いらっしゃいますので、直接足を運ぶのは絶対にやめましょう。落ち着いて、まずはお医者さんに電話で相談して下さい。

(4)妊婦さんのワクチン予防接種

風疹ワクチンは生ワクチン(生きているウイルス)の為、妊婦さんは予防接種を受けることができません。免疫の無い妊婦さんや抗体の数値が低い妊婦さんは感染に要注意です!
家族に風疹にかかる可能性のある人がいるなら、必ず予防接種を受けてもらいましょう。
また、風疹が流行してる場合、妊娠12週未満(安定期より前)の妊婦さんは人の多い場所へ行くのは絶対にやめて下さい!少なくとも24週(6ヶ月)くらいまでは気をつけましょう。出産後に、必ず予防接種を受けるようにして下さい。


6まとめ


風疹は、今となっては予防接種を満足に受けられていない大人達がかかる病気となっているのかもしれません。大人になってからの高熱や発疹はとてもツライものがあります。
また、30〜50代は仕事でも重要な役割を担っている方が多くいらっしゃるので、「これしきの体調不良で休むわけにはいかない!」と言って、会社へ行ってしまう人もいるでしょう。
しかし、その行動が周りの人の迷惑になってしまうということも頭の片隅に置いておいて下さい。同僚に移ってしまったら?その同僚の奥様が妊娠していたら?全く笑えません。気合いでは風疹は治りません。かかっている本人もとてもツライと思いますが、どうか、周りへの配慮も同時にお願いします。